千紘さんのありがた~いお話

 


 最近、そこそこ、と言われることが多いようだ、と本当に重い漫画の入った紙袋を手に、真昼は思っていた。

 綺麗とか可愛いとか嬉しいが。

 そこそこ、とつくと、途端に嬉しくなくなるのはなんでだろうな、と思っていた。

 そう思う気持ちがゼロではないのに、と、

『大丈夫だ。
 お前なら、そこそこ美しいから』
と言った千紘を思い出しながら、思う。

 そういえば、千紘さん、なんで指輪してないんだろうな。

 女性除けのために私と結婚したはずなのに、と思いながら、
「そういえば、帰るの早いけど、龍平くんって、部活は?」
と真昼は龍平の手にあるスポーツバッグを見て訊く。

「ああ、これ?
 これは学校の荷物が入ってるだけ。

 俺、帰宅部」

「ええっ?
 そんないい身体してっ?」
と思わず言ってしまう。