千紘さんのありがた~いお話

 



 さっき、母親と食事をしたとき、千紘は呑むかどうか迷っていた。

 だが、ふわふわのドレスのようなワンピースを着た真昼があまりに可愛かったので、呑まないことにした。

 バーに行っても、船から帰らなくていい母親と母親の友人たちがすごい勢いで呑むので釣られそうになったが、なんとか(こら)えた。

「次は孫にお小遣いあげるのが楽しみだわ」
という帰り際の母親からのプレッシャーに固まる真昼を見たので、帰りにコンビニでアイスでも買ってやるかと思っていたのだが。

 いろいろ考えているうちに、コンビニを通り過ぎていた。

 この辺りにはコンビニは他にない。

「喉乾きません?」
と訊いてくる真昼は今すぐ飲みたいらしく、自動販売機でいいと言う。

 真昼が降りようとするので、
「買ってきてやる。
 なにがいい?」
と言った。

 そんな可愛い格好で、深夜に降りるなと思ったのだ。