千紘さんのありがた~いお話

「じゃあ、自販機でいいです」

「酒呑みすぎて、喉乾くんだろ」
と言いながら、千紘は自動販売機の近くで車を止めた。

 古い町並みはもう寝静まっているかのようで、明かりが少なく、自動販売機がやけに明るく見える。

 真昼が降りようとすると、
「買ってきてやる。
 なにがいい?」
と千紘が訊いてきた。

「いえ、千紘さん側は降りると危ないですよ。
 私、行ってきますっ。

 千紘さん、なにがいいですか?」
と真昼が言うと、

「……じゃあ、缶コーヒー。
 甘くないの」
と千紘は言う。

 了解ですっ、と真昼は車を降りた。

 小銭あったかなーと思いながら。

 此処数日、小学生よりギリギリのお金で動いていたので、ビクビクする。