千紘さんのありがた~いお話

 日本周辺を回る船らしいが、元は外国の歴史ある船のようで、中の造りはアンティークでゴージャス。

 ロビーもラウンジも貴族の館と言った雰囲気だった。

 だが、日中、船内を歩く人たちは、意外とカジュアルな服装の人が多い。

 まあ、船でずっと過ごしているわけだから、一日中、かしこまった格好なわけもないか、と真昼が眺めていると、麗花が、

「真昼さん、素敵なドレスね。
 よく似合うわ」
と褒めてくれる。

「ありがとうございます」
と言いながら、ホッとしていた。

 服を決めるとき、かなり迷ったからだ。

 この手の船は夕方以降は、その日その日で違うドレスコードがある。

 今日はインフォーマルの日なので、ちょっとしたお出かけ着程度でいいと聞いてはいのだだか。

 一応、ドレスにも見えるようなふわふわした素材の、淡い綺麗な色のワンピースを着てきていた。

 カクテルドレスでもいいようだったが。

 真昼たちはこの船に部屋がないので、着替えなくてもいいように、カジュアルな時間帯でもおかしくない服装にしたのだ。