ん? スマホが鳴ってる。
書店の横の狭い道をダッシュしていた真昼は鞄の底で鳴っているスマホに気づき、足をゆるめた。
走りながら取り出そうとするが、なかなか出てこない。
千紘さんかなっ? と思いながら出たのだが、落ち着いた大人の女性の声が聞こえてきた。
『ああ、真昼さん?
今、何処なの?』
ひっ、お義母様、と真昼は思わず、足を止める。
『貴女たち、明日は暇かしら?
明日、港に船が着くんだけど』
この方はなにをおっしゃってるのでしょうか……と思ったら、どうも、義母、麗花は豪華客船で旅をしているようだった。
『貴女に千紘を託して、子育てを終えて、楽になったから、ちょっとお友だちと旅に出てみたのよ』
と麗花は笑う。
いえ、お義母様、私は千紘さんからは一年しか託されていません……。



