千紘さんのありがた~いお話

 




 龍平と本とゲームの受け渡しの算段をしながら、書店を出たとき、真昼は千紘の車が目の前を走っていくのを見た。

 はっ、千紘さんっ、と真昼は思わず、龍平の後ろに隠れてしまう。

「……なに隠れてるの」
と振り向き、龍平が言ってきた。

 真昼は、ふう、と息をつきながら、彼の陰から顔を出す。

「龍平くんが大きくてよかったわ」

 まだこんなところでフラフラしてんのかと怒られるとこだった。

 幸い、千紘は家ではなく、学校に戻っていくところだったようだ。

 なにか用事で出かけていただけだったのだろう。

 それっ、今のうちっ、と真昼は帰ることにする。