千紘さんのありがた~いお話

「あー、でも、やっぱり、離れるとなると寂しいですねー」
と真昼は天井を見上げた。

「夜中の一時二時になると、毎日ガシャガシャ聞こえてた氷の音とか。
 突然、下から聞こえてくるドラムの音とか」

 すべてが懐かしいです! と笑ったが、

「お前、今になって、微妙にディスってないか……?」
と苦笑される。

「でもまあ、そうだな。
 すべてが懐かしいな。

 門馬をドラム缶につめて捨てる前に、俺がスーツケースにつめられて捨てられそうになったり……」

 顔を見合わせ、笑い、どちらからともなくキスしかけたとき――。

「センセーッ」
「真昼さんーっ」

「手伝いに来たよーっ」
「ゲーム持ってきたよー」

「漫画返して。
 新しいの貸してあげるからーっ」
と外から、愁子や龍平たちの声がする。