千紘さんのありがた~いお話

 なんなんですか。

 どうして、トイレの前で立ち尽くしているんですか。

 最初に、トイレに行こうとしている、と思い込んでしまったせいで、真昼はしばらく、そう思っていた。

 やがて、もしや、この寝室の前に居るのでは、と気づく。

 もしや、あの電話のせいで、なにか話があるとか?

 お話、なんですかっ、千紘さんっ、と思う真昼だったが、実はちょっと想像がついていた。

 あの電話。

『はい。

 大丈夫です。

 なんとかやってます』

 あれは、もしや、千紘さんが勤めてた大学からの電話では……。