いまいち妻の自覚のない奴に愛妻弁当を作れというのもハードルが高いか、と思いながら、向かいの席で、奥さんが作ってくれたというハート形にハムが切られた弁当を食べている同僚を千紘は見ていた。
いや、あそこまでやらなくてもいいんだが。
ちょっとうらやまし……
いや、うらやましくはない、とおのれに言い聞かす。
放課後、門馬龍平が来た。
昨日、真昼と話していた他校のイケメンだ。
困ったことに性格も良く、面白い奴だった。
だから、つい、警戒したように真昼に訊いてしまったのだ。
高校生とはいえ、真昼とそう年は違わないことだし。
龍平は、女子校に来ての打ち合わせだと言うのに、付いてきていた他の男子生徒とは違い、浮かれることもなく、淡々としている。



