千紘さんのありがた~いお話

 



 納得したのか、してないのかわからないまま、龍平は帰っていった。

 龍平と話している間、ずっと、横で、
 先生、なにやってんの、職員室で、
という顔をしていた佐村が、

「若いですね~、先生」
と笑って言ってくる。

「ああ、門馬ですか」
と彼の出ていった戸口を見ながら言うと、

「先生もですよ」
と笑われる。

「高校生と張り合うとか。
 流しとけばいいじゃないですか」

「いや、やられそうな気がするからです。
 油断したら、後ろから袈裟懸けに」

 門馬は何者ですか……と佐村は苦笑いしていた。

「でも、仙谷先生、あんなにラブラブなのに、そんなもんですかね」
と言われて、ファイルを引き出しにしまいかけた手が止まる。