千紘さんのありがた~いお話

 今の時間帯、人が少ないとは言え、どうなんだ? と思いながらも、千紘は言った。

 龍平の本気を感じ取ったからだ。

「そうだな。
 とりあえず、偽装結婚でいいから、結婚してくれ、と言ってしまうくらい、真昼を逃したくなかったかな」
と白状して、

「……なにやってんの、先生」
と言われる。

 バラすべきではなかったかもしれないが、龍平が真剣にこちらに向かってくるのなら、こちらも真剣に返すべきだと思ったのだ。

 まあ、職員室で言うべきではなかったかもしれないが。

 隣の席で、カップ麺を食べていた佐村先生が止まっている。

「偽装結婚なの?」
と龍平に改めて問われ、

「今は違う」

 ……ような気がする、と心の中だけで付け足した。

 真昼がなにを考えているのか、さっぱり、わらかないからだ。

「でもさ」
と小首を傾げて龍平は言う。