千紘が職員室で仕事をしていると、龍平がやってきた。
「先生、百人一首大会のことでちょっと」
と言う。
俺は数学の教師なんだが……と思いながらも、ああ、と千紘は言った。
いや、一応、大会の運営を手伝いはするのだが。
もちろん、メインで動くのは、国語教師だ。
「先生」
「なんだ」
「先生は、真昼さんのこと、好きなの?」
……お前、今、百人一首大会のことで話があると言わなかったか? と思いながらも、
「……妻だからな」
と答えると、
「どのくらい?」
と龍平は訊いてくる。
突っ込んでくるな~。
しかも、職員室で。



