「あの占い師さんは当たりません」
「ものすごい手のひら返しだな」
いつぞやのイタリアンの店で、今日は二人とも車でないので、呑みながら食べる。
「でも、旅行、楽しかったです」
「とんだお前の勘違いから始まった旅行だったが、まあ、楽しかったな」
安いが美味しい前菜でワインを呑みながら、真昼は笑う。
「奈良も合宿で行ったときとは全然違いました。
あのときはただ楽しかったけど。
今回は、ちょっと……幸せでした」
「……ちょっとか」
「はい」
と真昼は答えた。
だって、まだ、不安があるから。
半年後、あの町を去るとき、私はちゃんと貴方の側にいられるのでしょうかね?



