千紘さんのありがた~いお話

 



「どうも主人に、もてあそばれて捨てられそうな気がしてるんです」

 鉛筆の芯が入ったままの手相を見せて、真昼はそう言いたかった。

 だが、現実には、手のひらを見せたまま、なにも口に出せずに、じっとしていた。

 すると、夢の中より少しゴツイ気がする占い師のおじさんは、

「うん。
 この間と変わってないねー」
と言ってきた。

 いや、そんな莫迦なっ。

 私の気持ちはこんなにも変わっているのにっ。

 だが、そのあと交代し、見てもらった千紘も、

「ご主人もなにも変わってないねー。
 これでお金もらうの、なんか悪いねー」
と言って笑われていた。

「いえ、ありがとうございます」
と礼を言い、真昼がトボトボ去ろうとすると、

「あっ、待って」
とおじさんが言う。