千紘さんのありがた~いお話

 




「どうも主人に、もてあそばれて捨てられそうな気がしてるんです」

 鉛筆の芯が入ったままの手相を見せて、真昼はそう言った。

「ご主人なんだよねー?」
と中国風の茶碗によく描かれている子どもみたいな笑顔を見せて、占い師は軽く言う。

「だって、あんな素敵な人なんですよ」
と言ったところで、目が覚めた。

「よく寝てたな」
と新幹線の中、起きて文庫本を読んでいたらしい千紘が言う。

「もうすぐ着くぞ」

「あ、はい、すみません」
と言いながら、真昼はゴソゴソ荷物を確認し始める。

「さっき買った宝くじ、当たるといいですねー」
と鞄から覗いたそれを見て、真昼は微笑んだ。

 春日大社から駅に行く途中の売り場で買ったのだ。

「そういえば、この間、私、いいことしたんですよ」

「ほう、カメでも助けたのか」