千紘さんのありがた~いお話

「実は、その、例の手相占いのおじさんのところに行きたいんです」

「真昼……、まんまと罠にかかっているぞ」

 あのとき、おじさんに、
「きっとまた来るよ」
と言われたことを言っているのだろう。

 だが、あのときから、二人の運命に変わったところはないか、知りたかったのだ。

 この結婚はまだ偽装結婚ですか、とか。

「いや、俺に訊け」
と千紘には言われそうだが。

 本人には、なんだか訊けない。

 占いなんて、そんなに本気にする方ではなかったのだが。

 今は、ちょっと占って欲しい気分だ、と思っていた。

 ややこしい感情を占い任せにしたいだけかもしれないが。

 そこで、真昼は、はた、と気づいた。

「ああっ、そういえば、地主神社に行くの忘れてましたっ」

「今更、誰と縁を結ぶつもりだ……」
と千紘は言うが。

 いや、貴方じゃないですかね……?
と真昼は思っていた。