千紘さんのありがた~いお話

「いえ。
 ああ、まあ、ちょっと先生に見張られてるみたいなのが気にはなりますけど」

 真昼がひとりで店を見ようとしたりして、はぐれかけたら、千紘が修学旅行の引率のように指導してくるのだ。

「千紘さん、月曜からお仕事なのに、お疲れなんじゃないかな、と思って。

 早く帰って、ゆっくりした方がいいんじゃないかな、と思ったんです。

 それと――」

「それと?」

 真昼がそこで黙ったので、千紘は先を急かすように言ってくる。

「ちょっと寄りたいところがあって」

「何処だ?
 またホームセンターか」
と言われ、

「いや、さすがに違いますよ……」
と答える。

 まさか、奈良まで来て、地元のホームセンターに行きたいから早く帰りたいとは言い出さない。