古墳や寺、祈りごとを書いたら、逆に祟られそうなくらい古式ゆかしく雰囲気のある神社を巡ったりしながら、真昼たちは楽しく過ごした。
夜は、奈良ホテルの、明治時代に造られたという本館に泊まる。
赤い絨毯の敷かれた大階段や、古風な釣灯籠のようなシャンデリアを見ていると、時代をさかのぼったような気持ちになるが。
隣にいる千紘さんは今風のイケメンだな、と真昼は思っていた。
「明日は何処に行くんだ?」
と部屋のベッドに腰かけ、千紘が訊いてきた。
どうでもいいが、この人、また呑んでるんだが、とその手にある小瓶のワインを見ながら、真昼は思う。
「明日はもう帰る日ですよね?」
「そうだが、少し何処か観光するくらいの時間はあるぞ」
そうですか。
でも――。
「……早く帰りたいです」
ともらすと、千紘が心配そうな顔をする。



