千紘さんのありがた~いお話

 駅からバスに乗ったのだが。

 道が狭いので、他の車やバイクとすれ違うとき、バスは平気で溝蓋の上をごとごとと揺れながら走る。

 しかも、すぐ横は田んぼだ。

 そんなのんびりとしたバスの中で、真昼は千紘と並んで座っていた。

 長閑だな……。

 今日はあまり暑くもないので、窓からの日差しも心地よく、ぼんやりできた。

 二人がけの座席は、肩が触れそうで触れない広さだ。

 いつまで、千紘さんと、こうしてられるんだろうなーと真昼は思う。

 この間から、千紘さん、さも気がある風なことを言ってくるけど、いつも酔ってるときだしなー。

 もしや、もてあそばれて、飽きられて終わりとか。

 特に最近、千紘さんが神々しく見えて、よい発想にならないな、と真昼は思っていた。