千紘さんのありがた~いお話

「ご結婚してらっしゃるんですか」

「……俺が小学生のとき、養護教諭の先生だったんだ」

 しかも、その時点で、かなりのベテランだった、と言う。

「えーと……」

「来年、還暦だそうだ」

「あ、そ、そうなんですか」

「いや、でも、今でも美人だぞ。
 だが、俺のような若造を相手にするような人ではない」

 ……田所さんが北坂先生の話をするとき、ピリピリしてなかった時点で気づくべきだったな、と真昼は思った。

 っていうか、それで心配して、家まで送っていったんだったのか……。

「まあ、せっかく来たんだ。
 少し京都でゆっくりしていこう。

 何処か行きたいところはあるか?
 今日、俺が来るまで、なにしてたんだ?」
と問われる。