千紘さんのありがた~いお話

 



 千紘をちゃんと布団に入れたあと、真昼は自分も寝室に行こうとした。

 すると、千紘がキッチンのカウンターの上で、スマホを充電していることに気づく。

 そういえば、スマホ、通じなかったけど、となんとなくスマホを見つめてしまう。

 北坂先生から、もう帰った? とかってメールでも入りそうな気がしたからだ。

 だが、スマホは鳴らず、真昼は戸締まりして、寝ようとして、電気を切った暗がりで、また、そのスマホを見つめる。

 そして、早朝起きて、また、見つめた。

 なにか……寝不足だ。

 寝不足だといろいろと判断を誤るんだよな。

 この偽装結婚を受けたときみたいに、と思いながら、
「行ってらっしゃいませ」
と真昼は千紘を見送った。