千紘さんのありがた~いお話

「……すまなかったな」
と千紘がまた謝ってくるので、なんだか泣きそうになった。

 なんで謝ってるんだろう、この人。

 遅くまで待たせて、すまなかったな?

 それとも……

 う、浮気して、すまなかったな?

「真昼」
ともう一度、名前を呼ばれる。

 千紘が自分を見下ろした。

「すまないが、偽装結婚はもう解消してくれ。
 俺は本当に結婚したい女性を見つけてしまったんだ」

 ……とか言われる前に、

「ご飯、あっためてきますっ」
と真昼は千紘の話を聞かずにダッシュした。

 ざる蕎麦をチンしそうになりながら、急いでご飯を出す。