千紘さんのありがた~いお話

 だが、千紘は、
「何故、駄目なんだ、真昼」
と真昼の両腕をつかんでくる。

 ひいっ、押し倒されるっ。

 真昼は後ろに手をつき、ベッドの上で踏ん張った。

「俺は、お前を金で買ったわけではない。
 ただ、婚姻届という名の契約書で縛っているだけだ!

 気軽にハンコを押しては駄目だといういい例だな」

 今度からは気をつけろよ、と自らが言ってくる。

「真昼、最初にお前の写真を見たとき、思ったんだ。
 そこそこ魅力的な女だと」

「あのー、すみません。
 その程度なら下りてください、私の上から」

 話しながら、真昼をベッドに押し倒した千紘に、真昼は言う。

 だが、そんな風に、何処までも嘘がつけない千紘は嫌いではない。

 ただ、あの写真を見て、そこそこ綺麗だとか、魅力的だとか思う、この人がちょっと怖いんだが……。