千紘さんのありがた~いお話

 ひーっ、と思っていると、千紘がそれを手に取り、言ってきた。

「何故、今、こんなものを持っている」

「お、おばさんが、そういえば、これをあんたに渡すのを忘れていたと言って、さっき、くれたんです」
と真昼は、適当なことを答える。

 すると、千紘は、面白くもなさそうに、それを眺めていた。

「そういえば、私の釣書と写真って、どんなのだったんですか?」

 自分では見てないんだが、と思って訊くと、千紘は、一口酒を呑んだあとで、いつも彼が持ち歩いている鞄から、茶封筒を出してきた。

 中から、釣書のようなものが出てくる。

 なんでその鞄から出てくるんですか……。

 自分のように、鞄に一度入れたら、存在を忘れて、何年もそのまま、みたいな人ではないのに、と真昼は(いぶか)しがる。

 しかし、私の写真か。

 どんなのだったんだろうな、と期待半分、不安半分で、千紘の手から受け取った。