千紘さんのありがた~いお話

「ああっ。
 すみませんっ。

 じ、実は、峰子おばさんのところに行っていましたっ」
と慌てて言ってくる真昼に、

 なんで、峰子さんのところに行っただけで、そんな動転するんだ、と思いながら、千紘は訊いた。

「本当か?」

「ほっ、本当ですっ。
 ちょ、ちょっと用事がありましてっ。

 その保険のことでっ」

「保険?」

「あっ、そこにパンフレットがっ、はいっ。
 どうぞご覧くださいっ」

 見ると、窓際の丸いローテーブルの上に確かに保険のパンフレットがあり、峰子の名前や連絡先の書いたスタンプが裏に押してある。

 峰子さんと会っただけなのに、なにを動揺してるんだろうな。

 それとも、動揺していると思うのが気のせいなのか?

 こいつ、いつも挙動不審だからな、と思いながら、真昼とともにテレビの部屋で夕食をとる。