千紘さんのありがた~いお話

 



 チャラさを極めた男は違うな、と思いながら、千紘は家に帰った。

 真昼はいつものように晩ご飯の支度をして、ちまちま動き回っていた。

 なんだかわからんが、可愛いな、と思いながら、ぼんやり真昼を眺めていると、ダイニングキッチンに入ったまま、動かない自分を振り返り、真昼が言った。

「どうかしましたか? 千紘さん」

 そのとき、気づいた。

「何処か行ってたのか?」

「は?」

「イヤリング」

 真昼は服は普段着だが、耳には、小さなピアスにも見えるイヤリングをやったままだった。

 真昼がアクセサリーの類いをするのは、街に出かけるときくらいだったので、そう訊いたのだ。

 わあああああっ、と真昼は慌てた感じにそれを外す。