千紘さんのありがた~いお話

「女なんて、こっちが思ってるほど、繊細じゃないですよ。
 むしろ、こっちのハートがしょっちゅうズタズタにされてますよ。

 まあ、女はタフで当たり前。

 そうじゃないと、他人の家に嫁いでいって、子どもを産んで育てるなんて無理って言って、お袋は笑ってますけどね」

「お前のお母さんは立派な人だな」

 そう言うと、哲夫は少し嬉しそうな顔をした。

 ちょっとヤンキー風だが、親思いなんだな、と思う。

 まあ、ヤンキーって、ある日、突然、親孝行になる奴多いけどな、と思っている千紘に哲夫は言う。

「ともかく、女って、押してこられる方が嬉しいみたいですよ。

 やっぱ、自分で行くのは恥ずかしいんじゃないですかね?

 肉食系女子が増えたといっても、まだまだ勇気のいることだし。

 気がありそうな女子が居たら、こっちから行ってあげるのも礼儀ですよ」

 いや、お前のように、誰彼かまわず、行くのもどうかと思うが……。

 そう思いながらも、洗脳にはまったように、段々、それが礼儀のような気がしてきていた。