千紘さんのありがた~いお話

「彼女を傷つけずに、そっと迫りたいんだが、どうすれば?」

「……そのまんま言えばいいと思いますけど。

 センセー、それだけのいい男だし。

 相手は、奥さんなんだし。

 結婚したからには、奥さん、先生のこと好きなんでしょうから」

「いや、それが、別に俺が好きで結婚したとかではないんだ」

「なんなんですか、それは」
と言って、少し考えたあとで、哲夫は、

「センセー、金持ちっぽいから、財力に物を言わせて、お前の望みはなんでも叶えてやるとか言ったらどうですか?」
と言ってきた。

「それはなんだか、邪道な感じが……」
と言うと、

「そうやって、ごちゃごちゃ言ってるから、タイミング逃すんじゃないんですか?」
と哲夫は言ってくる。

 うっ、痛いところを突いてくるな。

 やはり、チャラいだけの男ではないらしい、と思っていると、哲夫は、肩をすくめて言ってきた。