なんというチャラい男だ。
だが、今はうらやましい。
そう思いながら、千紘は哲夫を見つめていた。
昨日、女生徒の肩を抱いて、街を歩いていたかと思えば、今日はまた違う女を松林で壁ドンしている。
いや……松ドンか?
まあ、そこのところは、どうでもいいんだが。
何故、そうぽんぽん簡単にそういうことができるのだ、と千紘は哲夫を凝視していた。
しかも、チャラそうに見えるが、門馬たちと同じ学校ということは、頭もいいはずだ。
頭がいいと、あっちの女生徒とこっちの女生徒で揉め事が起こったらどうしようとか。
いろいろ先のことを考えて動けなくなることも多いはずなのに――。
怯まず、突っ込んで行くこの度胸だけは見習いたい。
そう今は思っていた。



