おば、峰子の勤める保険会社は、ちょっと赤毛のアン風な可愛い緑色の建物だった。
デスクで電話をして、なにやら高笑いしている峰子の後ろにしばらく立っていると、やがて、電話を切ったあと、峰子は、ふう、と息をつき、デスクの上のお茶を一口飲んでから、後ろを振り返り、わっ、と言った。
「なんで居るのよ、真昼っ」
少し離れた席の若い女性が、
「姪御さんが、保険のことで訊きたいことがあるっておっしゃるからお通ししましたよー」
と笑って言う。
彼女もいつまでも峰子が気づかないのを笑って見ていたのだ。
「保険?」
と口の中で呟いたあとで、峰子は言う。
「そうそうっ。
あんたたちは、いつでもどうにでもなるって思ってたから、放っておいたけど。
そのうち、子どもでもできるだろうから、保険入り変えなさいよ、まあ、座ってっ」
急に乗り気になり、後ろのソファを勧めてくる。



