千紘さんのありがた~いお話

 いや、貴方が怖いから側で寝てくれって言ったんですよ、と苦笑いしながらも、
「おはようございます」
と真昼は言う。

「いい天気ですよ、今日は」

 昨日の嵐が嘘のようだった。

「今、朝ごはんの支度しますね」
と真昼は起きかけるが、千紘に止められた。

「いや……まだいい。
 もうちょっと寝てろ」

 いや~、でも、私、のろいので、早く始めないと間に合わないんですが、と思っていたが、千紘が珍しく穏やかな顔で、こちらを見つめて微笑んでいるので、なんとなく動けなかった。

 どのくらいそうしていたのか、やがて、千紘が口を開いた。

「お前はあの占い師にケチをつけていたが」

 いや、ケチをつけてはいませんよ、と思う真昼の顔の横にある手を千紘は握り、

「あの占いに間違いはない。
 この結婚に間違いはない。

 そう俺は今、思った」
と言う。

 少し身を起こした千紘は、真昼に覆いかぶさるように、そっと口づけてきた。