千紘さんのありがた~いお話

 まさかとは思うが。

 お前をベッドに誘うためには、俺が怖いと言うしかないのか……。

 屈辱っ、と思いながらも、
「……そうだな。
 ちょっと怖いかな」
と真昼と寝るために、プライドを捨てて言ってみる。

 真昼は、
「仕方のない人ですね」
と笑うと、

「じゃあ、千紘さんが寝るまで、側に居てあげますよ」
と言い出した。

 いやいやいやっ。
 側にじゃないだろっ!
と思いながら、覚悟を決めて、

「……一緒に寝てくれないか?」
と言うと、真昼は迷いながらも、まだ白い光が走り続ける窓を確認し、

「わかりました」
と頷いた。

 真昼は押入れから、もう一組の布団を出してくると、隣に敷いて横になる。

 いや、そういう意味ではない。

 だが、これでも大進歩か?
と思う自分を寝たまま真昼が振り向いた。

 身体を横たえている真昼が自分を見つめているというだけで、驚くくらい鼓動が速くなる。

 そんな自分を見つめて、真昼が、ふふ、と笑った。