千紘さんのありがた~いお話


 



 門馬、真昼の車の助手席に乗ったのか。

 こいつの運転技術がどの程度のものかは予想がつくだろうに。

 門馬はお前を愛している。

 さもなくば、命をかけて、お前の運転する車の助手席になぞ乗るはずがない。

 そう思いながら、千紘は真昼を見つめていた。

 真昼はその視線に気づいたのか、自分を見つめ返してくる。

 真昼はなにか迷うような顔をしたあとで、
「千紘さん……」
と口を開いた。

「最後の一切れ、半分こしませんか?」

 小洒落た和皿に鮮やかな色の卵焼きが一切れ残っていた。

「……全部食べていいぞ」