千紘さんのありがた~いお話

 千紘は、今度は、その横に積んである、キラキラしい表紙の漫画を手に取った。

 普段なら、絶対、読まないのだが、とりあえず、陽気そうだったので、ページを開く。

 今のこの陰惨なゲームの雰囲気から切り替えられるものなら、なんでもよかった。

 だが、すぐに、うっ、と思う。

 ……キャラが全員、目がデカすぎて、どっちが男で、どっちが女なのか、さっぱりわからん。

 っていうか、なんでラブシーンばっかりなんだっ。

 田所め、と千紘は本を閉じた。

 すると、真昼の鼻歌が此処まで聞こえてきた。

 俺をホラーな気持ちにさせておいて、自分はもう鼻歌を歌っているとはなにごとだ、と思いながら、千紘は立ち上がる。