千紘さんのありがた~いお話

「なに間抜けな猫が驚いたみたいな声あげてんだっ。
 さっさとしゃがめっ」

 本気の悲鳴か? それっ、と言うと、真昼は生意気にも言い返してくる。

「人間の悲鳴って、本当は、ぎゃーっとか、きゃあじゃないんですよ。
 本気の悲鳴は、にやあああああーっ! ですっ。

 きゃあとか、漫画や小説で読んだ通りに悲鳴をあげているうちは、きっと、まだ余裕があるんですよ」

「それお前だけだろうが……」
と呆れたが、真昼がいつもより、自分の側に寄ってきていることに気がついた。

 怖すぎるホラーゲームのおかげだろう。

 ありがとう、門馬、と思いながらも、本気になりすぎて、また、真昼をののしってしまう。

「しゃがめーっ」

「にやああああーっ!」

 近所から苦情が来そうなうえに、関係が悪化しそうな気配を感じたので、その辺で、ゲームはやめることにした。