千紘さんのありがた~いお話


 



「って感じで、いいお店だったよー。
 今度、来たとき、一緒に行こうよー」

 翌日、千紘が仕事に行ったあと、真昼はフロアモップをかけながら、友人、菜子(なこ)と話していた。

 真昼たちの住まいは、まだ新築のアパートだった。

 なので、掃除をしていても、なんだか楽しい。

『そうね。
 じゃあ、連れてって。

 で、それはいいんだけど、呑みに行ったりして、食費は大丈夫なの? あんた』

 引っ越し貧乏で全然お金ないって言ってたじゃん、と言われる。

「そうなの。
 お金ないの。

 でも、ほら、実はヘソクリが一万円」
と真昼は可愛い猫柄の百均の封筒を手に勝ち誇って言ったが。

『ヘソクリが一万円しかない主婦ってどうなの。
 この間まで、OLだったのに』
と言われる。

 そのとき、チャイムが鳴った。