千紘さんのありがた~いお話

 ということは、別に主婦業に慣れたわけでもなかったらしい。

 ちょっとしょんぼりして、ショッピングセンターをウロウロしているうちに夕方になった。

 ホームセンターの外で、坪庭、と自分が主張しているベランダになにか緑を増やそうかと眺めていると、いつものように、龍平が現れた。

 今から帰って、道場に行くのだと言う。

「ふうん、頑張って。
 ああ、そういえば、道場って、なんの?」
と訊くと、

「それ、今、訊く?」
と言われる。

 そういえば、出会ってから、二、三ヶ月は経っている。

「剣道だよ。
 今度見にくる?」

 試合あるから、と言われた。

「いやー、剣道。
 格好いいんだけど、なにやってんだか、見ててもよくわからないんだよねー。

 今の当たったのに、点入んないの? とか。

 前、友だちが高校生の頃、試合見に来てって言うから、行ったんだけどね」