千紘さんのありがた~いお話

 



 翌朝、黄金色に溶けたバターのしみた、ふかふかのトーストと卵とカリカリベーコンを食べながら、真昼は、チラチラと千紘の顔をうかがっていた。

 朝食、特に、洋食の日は、キッチンのカウンターで食べることが多いので、真昼は、千紘の真横に座っている。

 向かい合っているときのように、さげなく見ることができないので、こちらが見ていることが丸わかりのようだ。

 千紘は、なに見てんだ? という目で威嚇してくる。

 昨夜とは別人のようだ……、と真昼は思っていた。

 あの優しいささやきは、なんだったのですか。

 今朝の千紘は、普段通りの、淡々とした口調と、私を(さげす)んでいるのですか? と問いたくなるような目つき。

 ゆうべのあれは、夢だったのだろうか、と思った真昼は、その晩も寝たフリをしようとした。

 千紘の本音が聞きたかったからだ。

 だが、いつも通り爆睡してしまっていた。

 どうやら、あの日、たまたま眠れなかっただけのようだ。