「俺がすき焼きには必ず卵だとかいう男なら、お前を撲殺している」
と言う千紘の言葉を聞きながら、真昼は、
いやいや。
そういう人なら、最初の段階で、卵がないことに気づくでしょうよ、と思っていた。
「それにしても、門馬のようないい男が、お前に気があるとか間違ってるな」
とテレビの間に布団を敷きながら、千紘は言ってくる。
愁子が帰り際にその話をして帰っていったからだ。
真昼はそれを手伝いながら、
「ないと思います。
それから、龍平くんは、私の好みと違いますが」
と何の気なしに言った。
すると、
「なに好みじゃないとか贅沢言ってるんだ」
と何故か叱られる。
お前ごときが、という幻聴が聞こえましたよ、今……、と思う真昼に、千紘は、
「あれは二、三年経ったら、もっといい男になるぞ」
と言ってくる。
なんですか、それは。
私に、龍平くんと浮気せよというアピール?



