千紘さんのありがた~いお話

 



「あ、お帰りなさいー」
「先生、こんにちはー」

 真昼は玄関が開いたあと、こちらに歩いてくる足音を聞きながら、テレビ画面を見たまま、そう言った。

「……なんで、田所が居る」
と言われる。

「黙ってください。
 今、協力プレイ中です」
と振り返らずに言うと、

「なんで、ゲームやってるときだけ強気なんだ、このダメ人間め……」
と千紘は、こっちが半分聞いていないと思っているのか、好き勝手なことを言ってくる。

「真昼さん、私、門馬くんよりは、鈴木副会長がタイプなんですよ。
 でも、あの人、ちょっと近寄り難いんで、遠巻きに眺めてるくらいしかできなくて。

 今度、紹介してくださいよー」

 わかったわかった、と言いながら、真昼は画面から目を離さない。

 そんな真昼たちの後ろで、千紘が、
「お前、俺より生徒たちに太いパイプができてないか……?」
と呟く。