千紘さんのありがた~いお話





「ごはんですー」

 千紘が、ちょっと、うとうとし始めた頃、真昼が呼びに来た。

 行ってみると、立派なきつねうどんが出来ていた。

 油揚げはふかふかだ。

「……うん、おいしいな」
「味、薄いです」

「いや、おいしいよ」
「いや、薄いです」

 半分くらい食べたところで真昼が言った。

「……落とし蓋って、なにでしたらいいんでしたっけね?」

「最初に訊け……」

 そんな呑気な日曜日。

 特にこれといって変わったこともなかったが、真昼と一緒に居るだけで、なんだか気持ちが浮き立った。

 いつも顔を突き合わせている妻なのにな、と千紘は不思議に思う。