千紘さんのありがた~いお話

 



 何故、こいつは油揚げをつつきながら、泣きそうな目で俺を見ているのだろうかな、と思い、千紘は千紘で固まっていた。

 なにか悪いことをしたろうか。

「……真昼」
「はい」

「俺が作ってやろうか、昼ごはん」

 ともかく、この油揚げが、可愛い真昼を苦しませているのだろうと思い、どうしていいかわからないながらも、そう言った。

 すると、真昼は、
「いっ、いやっ。
 結構ですっ。

 作らないでくださいっ。

 なんか千紘さん、華麗に作りそうなので。
 わ、私の主婦としてのプライドが……っ」
と言い出す。

「おかしなプライドを持つな……」

 この間、主婦になったばかりの真昼が、そんなに、なにもかもできるだなんて、はなから思ってはいない。