千紘さんのありがた~いお話

 



 そういえば、あの如意棒、何処に行ったんだろうな。

 捨てた覚えはないんだが、と思いながら、風呂から戻ろうとした真昼は、廊下で千紘に行く手を阻まれた。

 な、なんでございましょう、旦那様、と厳しい顔で腕を組み、立っている千紘を見上げる。

「真昼」

 ……はい。

「キスでもしてみるか」

「……はい?」

 沈黙のあと、
「何故ですか」
と訊き返すと、千紘も沈黙した。

 少し考え、
「……夫婦だから?」
と言ってくる。