千紘さんのありがた~いお話

 そんなことを考えているうちに、晩ご飯がテレビの前のローテーブルに並んだ。

 チーズハンバーグと煮物。

 自宅ならではの組み合わせだな、と思ったが、美味しかった。

 ……実は子どもの頃から、チーズハンバーグが好きだ。

 大人になったので、あまり口に出して言うことはしないが。

 なんとなく、お子様メニューなイメージがあるからな、と思いながら、ワインではなく、今日、街で買ってきた日本酒を開ける。

 薄暗く、ひんやりとした、いい感じの酒蔵で買ったのだ。

 やはり、保存状態が良く、美味しかった。

 いい気分になって、真昼を改めて眺めてみると、とても可愛い。

 人が見てどうだか知らないが、俺には世界一可愛く見えるぞ、真昼っ。

 その真昼は相変わらず、よくわからない話をしているが――。

「それで、私の部屋の戸は引き戸で鍵がなかったので。
 学校で使ってた如意棒(にょいぼう)で鍵をかけてみようと思ったんですよ」

「如意棒ってなんだ」
と千紘は訊いた。