千紘さんのありがた~いお話

 千紘さんっ、と真昼は引き返そうとしたが、ゾンビの大群がこちらに向かってきている。

 きょっ!

 凶器、凶器、凶器っ!
と慌てて辺りを見回すが、傘もない。

 そのとき、背後から、ぐわあっと口を開けて迫り来るゾンビの口に、鋭い牙が輝いて見えた。

 おお、凶器っ!

 真昼は口を開けているゾンビの脚を掴み、大車輪のように振り回した。

 ゾンビはそこに居るゾンビでやっつけよう。

 資源の無駄がない感じだ、と思ったとき、

「真昼。
 明日、資源ゴミの日だぞ」
と振り回しているゾンビの向こうから、ゴミ袋を抱えた千紘が現れて言う。

「ああっ、今週の資源ゴミ、まだ作ってないっ」
と叫んだところで、目が覚めた。

 ……暑い。

 カーテン閉めてなかったな。

 真昼は、燦々と降り注ぐ夕暮れの光に顔を照らされ、半身を起こしたまま、ぼうっとしていた。

 ……夕日?