千紘さんのありがた~いお話

 そうだ。
 千紘さんが車に乗っていっている……。

 職場が近いので、乗っていかないこともあるのだが、今日は乗っていってしまっていた。

 バス。
 そうだ、バスに乗ろうっ。

 山を越えるバスは、えーと……とタブレットで調べながら、アイスを食べていたら、まったりしすぎて眠くなってきた。

 ……よし。
 仮眠を取ってから行くか。

 行ってなにをしたいと言うわけでもないし。

 ただちょっと、素敵な店を眺めたり、雑貨を眺めたり、風情ある通りを散策したいだけだ。

 そうだな。
 ちょっぴり仮眠をば、と思って、うとうととする。

 そして、真昼が、ほがらかな春の日、学校の茶道部の部室で部長をやっていると、障子を開けて、ゾンビがやって来た。

 慌てて渡り廊下を逃げていたのだが、職員室で呑気に仕事をしている千紘の後ろ頭が見えた。