千紘さんのありがた~いお話

 



 軽めのアルコールとノンアルコールのカクテルで二人で一杯やることになった。

 ちょっとした缶詰のおつまみなど開けて、こんな深夜に呑んでいると、なにやら、仲良し夫婦のようではないかと思ってしまう。

 いや、まあ、一応、夫婦なのだが。

「もう此処での暮らしには慣れたか?」
とキッチンカウンターで千紘が訊いてくる。

「はあ、まあ、ぼちぼちです」

「友だちもできたようだしな」

「ああ、龍平くんですか。
 弟みたいで可愛いです」
と言って、

「……お前に可愛いと言われるのは、心外だろうよ」
と言われる。

 今、お前ごときに、と聞こえた気がするが、幻聴だろうか、とアルコールでぼんやりしてきた頭で真昼は思っていた。

「でも、私、実は、この町に来て、ショックなことがあったんです」
と真昼は告白する。