千紘さんのありがた~いお話

 娯楽施設もあまりないし。

 雑貨屋だって、今日、久しぶりに行った。

 そうだな。

 うーん……。

 あっ、レモン買いに行こう。

 このレモン色の服を着て。

 ……他に行くとこないのか、寂しい奴だな、と千紘と龍平に言われそうな気もしたが。

 真昼がそんなことを考えている間、千紘はさっきからかかっている曲の説明をしていた。

 洋楽なのだろうか。

 聴いたことがないんだが、と思いながら、真昼は、うんうん、と頷く。

 言葉にカタカナが多くなってくると、友だちの言葉だろうが、小説だろうが、映画だろうが、目の前を通り過ぎていくだけになって、うんうん、になってしまうのだ。

 そんな、
「いや、カタカナじゃなくて、英語だろ」
と千紘に突っ込まれそうなことを思いながら、うんうん、と頷いていたのだが。

 いや、こんな適当な返事では、いずれ、怒られるだろうか?

 しかし、この手の音楽はいまいちわからないんだが、と思った瞬間、何処かで聴いたことがある気がする曲がかかった。