そのあと、真昼が服を見たいというので、百貨店の中で服を見た。
店員に勧められ、
「ちょ、ちょっと着てみます。
お待たせしましてすみません」
と他人行儀なことを言いながら、真昼は試着室に入ってしまう。
……自分がこういう状況になることはないと思っていたな、と千紘は思っていた。
彼女が試着しているのをぼんやり待つ男。
暇そうだな、と思いながら見ていたのだが、まさか、自分がその立場になる日が来るなんて。
暇というより、落ち着かなくて恥ずかしい。
こんな女性の物しかないような場所でなにをしていたらいいんだとウロウロ歩き回りそうになる気持ちをなんとか抑える。
やがて、試着室の中でゴソゴソしていた真昼がちょこんと顔を出してきた。
「どうですかー?」
と真昼より、更に若そうな愛想のいい店員が訊く。



