千紘さんのありがた~いお話

「この年代の服は難しいんですよ。

 此処をもうちょっと越えたら、好き勝手しても何も言われない年齢になる気がするんですが」

 おばさんたちの方が派手で華やかだが、違和感はない。

 この人はこういうスタイルのお洒落なんだろうな、と納得させられるだけのものがあるからだ。

「もう、あんまり可愛いのもおかしいし。
 かと言って、大人すぎるのもまだ似合わないし。

 こう、半端な感じのまま、大人の女を演じなければならない年齢というか」

「何も演じきれてないが。
 と言うか、演じようという気配すら感じられないのは気のせいか」
と言う千紘の忌憚(きたん)のない意見を聞いた真昼は、目を閉じ、えい、とつかんだ服を着た。

 本当に、なにを着ても同じな気がしてきたからだ……。